[鉄道マニア用語集]
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はじめに

鉄道マニアが使う用語を辞書形式にまとめました。

鉄道会社内で正式に使用されているものから,趣味の世界のみで使われているものまでさまざまですが,ここではそれらをひっくるめて「あいうえお順」に並べ,それぞれの説明や使用例を記載しています。

まず「電略」とは「電報略号」のことであり,昭和40年台前半まで列車の運転・運休手配等を電報で実施していた時に使われていた略号であることを覚えておいて下さい。今でも駅・電車区等の略記として残っていますが,電話の普及した現在「マニアの間でしか使われない」と言っても過言ではありません。アマチュア無線でしか使われなくなった「モールス符号」のようなものです。

まだ載せている用語の数は少ないですが,気が向いたら順次増やしていく予定です。

「あ」行「は」行
「か」行「ま」行
「さ」行「や」行
「た」行「ら」行
「な」行「わ」行

2003年12月-1日,この節が@nifty デイリーポータルZで紹介されました。


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各用語の説明

*「あ」行

あされん (朝練)
朝,通勤・通学途中等に撮影すること。部活の朝練が語源のようだ。
いごなな (157)
EF58 157。JR東海所属。
うや (ウヤ)
休むこと。

電略で「運休」を表すことからきている。
「あいつは飲み会の次の日はウヤるから困ったものだ」のように使われる。
えきどり (駅撮り)
駅で列車の写真を撮ること。

一部の駅は,ホーム先端からの見通しが良いため,珍しい車輌が運転される時には大勢の人が押し寄せる。首都圏では「新子安」「舞浜」等が有名。
えきね (駅寝)
駅のホーム,待合室等で寝て夜を明かすこと。

以前は多くの夜行列車が走っていたため全国至るところで可能であったが,最近では地方の無人駅くらいしか不可能である。
おっかけ (追っかけ)
車やバイク等で移動して,一つの列車を複数ヵ所で撮影すること。

水上発の「SL奥利根号」は後発の普通列車に渋川で抜かれるため,電車での「追っかけ」が可能。

*「か」行

かいしゃせん (会社線)
JR以外の路線のこと。元は「国鉄線」以外の路線を表す表現であり,営団や各自治体交通局の路線も含むようだ。
かくえきていしゃ (隔駅停車)
東急東横線の急行のこと。急行といいながら渋谷を出ると菊名までほぼ1駅ごとに停車するためこのような蔑称がついている。
かけもち (掛け持ち)
異なる区間を走る別々の列車を一日のうちにそれぞれ撮影すること。

例えば早朝舞浜駅で583系を撮った後,上越線内に移動して臨時の485系「はくたか」を撮影する場合等がこれに相当する。
がせん (架線)
電車の動力となる電気が流れている,電車の上方に張ってある線のこと。
ここまでは一般的だが,現場では「仮線」「下線」と区別するために「がせん」と濁って発音することが多く,マニアもその真似をしている。

小学校の漢字の読みのテストで「がせん」と書いて,○をくれるかは疑問である。
かぶりつき
運転室のすぐ後ろに立って,前方の景色を眺めること。

たまたま先頭車に乗ったような顔つきでさりげなく前方を見る人から,周りの目を全く気にせず「指差呼称」をする人まで幅が広い。

なお,列車の一番後ろで後方の景色を眺めることを「逆かぶりつき」という。
かぶる (被る)
被写体となるべき車両と自分の間に別の車両が入ってしまい,撮影できなくなること。

新子安の東京寄り先端で東海道下りを撮ろうとしてた時に,京浜線北行きが発車した場合等がこれに当たる。
かま (カマ)
機関車のこと。

蒸気機関車の「釜」が語源らしいが,機関車一般に使われる。
けつうち (ケツ撃ち)
列車の走行写真を進行方向の後ろ側から撮ること。「ケツ追い」とも言う。
こうしゅ (甲種)
「甲種車輌輸送」の略。

車輌メーカーで作られた新造車輌や展示用車輌等を,自力走行させずに機関車による牽引等,鉄道で運ぶこと。

鉄道車輌の輸送には,他にトレーラーで運ぶ「乙種」,船で運ぶ「丙種」,人が担いで運ぶ「丁種」がある。(最後の「丁種」は嘘)
こくてつしょく (国鉄色)
=>「ひょうじゅんしょく」参照。

*「さ」行

さんななごえむ (375M)
東京発大垣行きの夜行列車「ムーンライトながら」の列車番号。(いつの間にか391Mに変わっていた)

指定券(500円)を追加購入すれば青春18切符で乗れることから金欠マニアに愛用されているが,学生の帰省等一般人の間でも乗る人が多い。

*「た」行

だいや (ダイヤ)
ダイヤグラムの略で,列車が何時にどこを走るのかを記載した図面。縦軸に駅,横軸には時刻がとられ,それぞれの列車は斜めの線で表わされる。

市販されている時刻表は,元々このダイヤグラムをもとにして作られているが,時刻表の記載からダイヤを作成するフリーソフトも出回っている。
だんりん (団臨)
「団体臨時列車」の略。
でぃー・じぇい (DJ)
交通新聞社発行の月刊誌「鉄道ダイヤ情報」。
鉄道写真を撮影している人の半数以上が購読しているものと思われる。
てつ (鉄)
鉄道好きの総称。

乗り歩くのが好きな人,模型を作るのが好きな人,とさまざまな分野に分かれている。
一方その度合いによって,ファン<マニア<オタク<ヲタクと序列化されているみたいだ。
てろこうい (テロ行為)
多くの撮影者が被写体としている列車に乗車し,窓から大きく身を乗り出したり,大きな字で書いた字幕を外から見えるように掲げたりして,それらを写真に写り込ませる行為。

旧型客車,急行型電車,その他の窓の開く車輌で頻発する。
でんと (田都)
東急田園都市線の略。
どくたー・いえろー (ドクター・イエロー)
東海道・山陽新幹線の架線軌道総合試験車。黄色5号の塗装が特徴である。

以前は東北・上越新幹線用も200系を元にした車両で同様の塗装であったが,新型車両は赤を基調とした塗装になってしまった。
とりてつ (1) (撮り鉄)
鉄道写真を撮ることを趣味としている人。
とりてつ (2) (録り鉄)
発車ベル,駅構内や車内の案内放送,その他の鉄道に関連する音を録音するのを趣味としている人。

録音機能付のパーソナルステレオで録音する人が多いが,竿の先に本格的なマイクを付け,それを音源に近づけている人までいる。ここ数年で急速に増加している模様。

以前寝台特急に乗った時,案内放送中に横でくしゃみをしたら睨まれた。
とりてつ (3) (盗り鉄)
ヘッドマーク,サボ,その他の鉄道に関する部品等を盗む人。

自分で保有する人,転売して現金化する人と,大きく2種に分かれているみたいだ。

*「な」行

なりたりん (成田臨)
毎年年明けに関東各地から初詣臨時列車が多数運転される。これらのうち成田山へ行く利用者を乗せるために運転されるもの。

我孫子から成田線を通る「我孫子口」,総武線千葉経由の「千葉口」に分類される。

以前は我孫子口に客車や急行型電車が充てられることが多く,沢山の撮影者が集まっていたが,今(2004年)は全て特急型となったため,集まる撮影者の数も大幅に減少したようだ。
のりてつ (乗り鉄)
鉄道に乗ることを趣味としている人。

ケーブルカー等も含めた全国の鉄道路線の全区間に乗った人が,全国に1万人以上いるという説もある。

*「は」行

はしるんです (走ルンです)
JR東日本の通勤電車209系。

中央快速線の201系に比べ費用半減 (ただし耐用期間も) を目指して設計されたため,富士フィルムが製造・販売しているレンズ付フィルム「写ルンです」に喩えられている。
その後209系は製造中止になり,E231系へと進化した。その一方で相鉄,小田急,東急等でもE231系を元に設計された新車の導入が始まり,これらは「会社線版走ルンです」と呼ばれる。
はつめろ (発メロ)
首都圏を初めとする一部の地域では,電車の発車を示すベルの代わりに簡単な音楽が流れるようになった。この音楽が何時の間にか「発車メロディ」と呼ばれるようになり,これが略されたもの。

ただし,車掌が押すスイッチには「発車ベル」と書かれている。
ひがはす (東蓮)
東北本線の東大宮〜蓮田間の撮影地。

特別な車輌が通らない日でも,天気の良い土休の午前中には,必ずと言っていいほど撮影者がいる。
ひょうじゅんしょく (標準色)
国鉄時代は,車輌の塗装がパターン化されていた。これは,使用する塗料の種類を限定し本社一括購入することにより経費節減を図る,広域的車輌運用を可能とする,等の理由であったが,旅客鉄道会社発足後,新車の導入,塗装変更等により年々減っていき,現在では見られなくなった地域も多い。

「国鉄色」ともいう。
ひるね (1) (昼ネ)
寝台特急の一部は区間を限って座席車として利用可能であり,これに乗ることを指す。

「自由席特急券」と同額の「立席特急券」で利用可能なことが多いが「周遊きっぷ」の「ゾーン券」だけでは乗れないため,マニアの間ではあまり使われないようである。
ひるね (2) (昼寝)
寝台特急,通勤電車等,昼間の運用が少ない車輌が日中,電車区,留置線等に停まっていること。

「山手線に乗ったら田町で昼寝してる285系が見えたよ」のように使われる。
ほうどうしゃしん (報道写真)
たくさん集まった撮影者を絡めて撮った写真。「新聞写真」とも言う。

*「ま」行

まるよ
泊まること。

列車の運行表上で,翌日にまたがる場合に「○」の中にカタカナの「ヨ」を書いた記号が記載されることが語源。本来の意味は「翌日にまたがる」ことである。

*「や」行

やらせ (ヤラセ)
蒸気機関車が,迫力を出すため必要以上にわざと黒い煙を噴出すること。

元々石炭が完全燃焼すればそれほど煙は出ず,特に惰行運転中はそれほど煙を出さずに走行可能である。

なお,蒸気機関車の走行そのものが「やらせ」であるという意見もある。

*「ら」行

らっち (ラッチ)
「改札口」のこと。

元は「係員が入っている四角い箱の領域」のことだが,改札口の総称として使われているようだ。
ろくいち (61)
EF58 61。JR東日本所属。電化区間を走るお召列車を牽引するのはほとんどこれである。

*「わ」行

わきにひゃくよん (ワキ204)
山手線に登場した「サハ204」のこと。

6扉車で,ラッシュ時に座席が全て使用できなくなるため,有蓋貨車に喩えられている。「ワキ」は荷重24t以上の有蓋貨車につけられる形式記号。

最近では「ワキ208」「ワキE230」等も登場している。
(山手線の205系は全てE231系に置き換わった)
わしくり (鷲栗)
東北本線の東鷲宮〜栗橋間の撮影地。

「ひがはす」と同様。「北斗星」「カシオペア」の牽引機がEF81からEF510に変わるため2010年は撮影者が多く集まりそうである。

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